RCCNEWS

P
R

noimage

「はるかな町」までつながる鉄道の役割は JR西の不採算路線の収支公表で突き付けられた課題

2022.4.12 16:28
JR西日本は11日、利用者が減少しているローカル線の収支を、初めて公表しました。長年、地域交通の中心だった鉄道の役割も変わる中、沿線は、さまざまな課題を突きつけらました。

島根県の出雲市駅に入ってきたJR木次線の観光列車「奥出雲おろち号」。今シーズンの運行が10日から始まりました。残り2シーズンで、別の観光列車にバトンタッチすることが決まっていて、鉄道ファンが全国から集まりました。

週末を中心に運行される「おろち号」。広島県側の発着駅が庄原市にある「備後落合駅」です。列車が到着すると、山あいにある静かな駅は束の間のにぎわいを見せます。

しかし、JR西日本が不採算となっている区間の収支を公開。木次線と芸備線が接続するターミナル=備後落合駅の厳しい現状が明らかになりました。

JR西日本は、コロナ禍で経営が悪化する中、単独で路線を維持することが難しくなり、「より良い交通体型を作り上げるため地域と話し合いたい」という考えから、現状を知ってもらうため収支を公開したとしています。

「収支率を示したうえで、地域のみなさまと対話したい。課題を共有していろんな場で積極的に議論していきたい」(JR西日本地域共生部  飯田稔督次長)

JR西日本が公表した30区間で、備後落合駅が基点となる区間の収支率の悪化は、際立っていました。芸備線の「備後落合ー東城」はわずか0.4%。100円の収入を得るためにかかる費用は、実に2万5400円あまりです。

また、「おろち号」の走る木次線の「備後落合ー出雲横田」も1.4%。100円の収入のために6500円あまりがかかっています。

芸備線の「備後落合ー備後庄原」の収支率は2.4%。100円の収入のために4100円あまりかかっているといいます。


「(芸備線は)必要不可欠ですね。ないと困ります。もともとその沿線の人口が減少しているところに発しているというのもあるので、その沿線の人口を増やすというのも課題の一つですし、JRと地域が一体となって盛り上げてくれれば」(利用者)

芸備線を盛り上げたい…。

庄原市では有志が企画してカープのラッピング列車を走らせるなど、利用者アップに向けた取り組みが続いています。

カープ列車を企画したグループの住田則雄さんは、収支の公表をきっかけに、地方の交通についての議論を深めてほしいと話します。

「(鉄道は)大変な財産だと思う。それが無くなるということに対しては、本当に危機感を持った方がよい。一旦無くなったものが復活することはないので、偉そうなことは言えないけど、行政や国のレベルで、もっとローカル線のことについてどうするのかを話し合って考えていただきたい」(住田則雄さん)

JR西日本は、収支を公表した路線は「廃止を前提にしていない」と強調していますが、沿線自治体の費用負担も踏まえた議論に踏み込みたい考えです。

「特段、前提とか是非論は考えていない。ただ、このままの形で100%私たちの負担でやってくださいは困りますよと」(JR西日本地域共生部  飯田稔督次長)


JR西日本の姿勢について、庄原市の木山耕三市長は「一部の区間だけを切り取って、議論することは適切ではない」として、引き続き利用促進に取り組む考えを示しました。

同じく沿線自治体の三次市の福岡誠志市長は・・・。

「負担をするかどうかの状況にまだ至っていないと考えている。持続的な地域公共交通ネットワークはどういった方策がいいのかという切り口になっていくのでは」(三次市 福岡誠志市長)

地域の駅から「はるかな町」までつながっている鉄道は役割を終えたのか…。沿線は難しい課題に直面しています。
  • twitter
  • Facebook
  • LINE

PAGE TOP